THE洋ゲーメーカー TENGEN
日本では馴染みの薄い洋ゲーメーカー、その歴史を辿る!1発目はみんな大好きテンゲン!
君はテンゲンを知っているか?
洋ゲー、特にNESソフト界隈に一度でも足を踏み入れたことのある方なら一度は耳にしたことがあるであろうゲームメーカー、それがテンゲンである。
元々はアメリカのアーケードゲームメーカーであるアタリゲームスが前身であり、そこから切り離されたコンシューマー部門子会社がテンゲンである。社名の由来は囲碁用語で盤面の中心点を示す「天元」からであり、ロゴを見るとそれがよくわかる。
ガリバー任天堂クソ喰らえ!喧嘩上等俺たちゃテンゲン!
1986年に任天堂がNESで北米市場への参入を表明するといち早くテンゲンもそれに追随するも、諸条件で折り合いがつかずテンゲンはNESソフトの開発ができない状況に追い込まれる。
しかしテンゲンは諦めずに、任天堂製品をデアダウンすることで独自のNES ROM開発技術を編み出し非ライセンスソフトを続々と発売していく。しかし特許当局からのチップコードの盗用などが明るみになり、任天堂以上に強大な相手を敵に回したテンゲンは巨大訴訟に巻き込まれてしまう。有名どころではセガのメガドラテトリスが割りを食ってしまった話だろう。最終的には任天堂と和解し、その後はライセンス版のソフトを発売した実績もある。
このように、テンゲンというと「いわく付き」なゲームメーカーというのがゲーマー間の一般的な認識ではなかろうか?
コレクション性の高さと高い移植技術がフアンを魅了!
テンゲンのNESソフトといえばおなじみ金色の紙箱。そして日本版パッケージよりカッコいいジャケット。その高いコレクション性は国内外のコレクターを惹きつけているのは間違いない。例をあげるとパックマン。正直イラストがちょっと変なのだが、これがまたオリジナルと一線を画すデザインでコレクター魂に火をつけるのだ。そして統一性のあるゴールドのパッケージ。これは国内ソフトで言うとナムコのハードケースシリーズに通じる部分があると言えようか。集めたくなってしまうのだ。ディスプレイしたくなってしまうのだ。
そして何より主張しておきたいのはその高い移植技術。国内でも未発売になっている親会社アタリゲームズのアーケード作品を非常に高いクオリティでNESへ移植しているのだ。
有名どころではガントレットがあげられる。私はアーケード版を遊んだことは当然無いが、本当にアメリカのクソガキになった気でゲーセンで遊んでいるような気分になれるのだ。BGMの追加等、コンシューマー向けに絶妙なアレンジをしている点も評価したい。中にはファンタジーゾーンのようなトホホなモノやローリングサンダーやファミスタのようなほぼ日本のベタ移植のようなものもあるが、とりわけ日本未発売ソフトに関しては高い品質の仕上がりになっているのはたしかだ。
ゲーマーをコレクター沼へと誘う黒ROMとグレーロム!
ここからはテンゲンに限らずNESコレクターをはじめとするゲームコレクターに共通する話になるが、テンゲンのソフトにはライセンス品と非ライセンス品が存在する。これはコレクター魂を刺激する話で、ゲームコレクターはハッキリ言ってアホなので同じゲームでもいわゆる「ver.違い」と知ると欲しくなってしまう困った生き物なのだ。
ビジュアル的に死ぬほどカッコ悪い黒ロム。ロムが完全にハード内に格納されるオリジナルNESでは気にならないが、外出しになるコンバーターwith国内ファミコンで遊ぶ場合はなかなかに間抜けな絵面。
例えばパックマン。このソフトはver.が何種類か存在し、パッケージやロムもこのように多様である。一般的にいわゆる「黒ロム」と呼ばれるものは非ライセンスソフトであることが多く、ライセンスソフトは任天堂の許諾を得た証として、お馴染みのグレーロムとなっている。ちなみに黒ロムはロムのステッカーが劣化しやすいというコレクター泣かせな面がある。ロムの素材であるプラスチックも極めて粗悪である。
非ライセンスソフトでもナムコの権利表記はアリ。完全な無法者ではないようだ。
ライセンスソフトはしっかりと任天堂と仲直りしている証が堂々と。
ライセンス品は生産が日本で行われている。
非ライセンスソフトは堂々とアメリカで違法に製造されたことがよくわかる。
テンゲンで目指せおうちゲーセン!
テンゲンがリリースしたNESソフトは全部で20本であり、その約80%がアタリゲームスその他国内アーケード作品の移植である。コレが何を意味するか?もちろん動作環境やコントローラー等のプレイ環境にもよるが、環境さえ整えれば「おうちゲーセン」でヒャッハー!することが可能になるのだ。特にオススメは日本未発売ソフトでもあるパックマニアだ。こちら、アスキースティックL5でのプレイが難なく可能なので片麻痺ゲーマーのみなさんにもオススメしたい1本でもある。
いかがだろうか?こう言った切り口から購入するゲームを決めるというのもなかなかオツなものだと思うのは私だけだろうか?令和にもなってファミコンを遊ぶような人間は大抵がいいオトナなはず。つまりあらゆる角度から人生の突破口を見出す術を身につけている人間だということ。ゲームもまた然りで、今回のようなゲームメーカーの歴史を紐解きながらどのソフトを買おうか考えるというのもまたよきかなと。洋ゲーには私たち日本人が知り得ない歴史と叡智が詰まってますよー!
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