片麻痺でも遊べるDSゲーム

退院も間近になったタイミングでいまさら入院中のことを書くのかという感じではありますが、備忘録兼誰かのお役に立てるかもという思いで書いてみます。

入院中は暇です。とにかく暇です。なんせ国の定めでリハビリは1日3時間しかやってもらうことができません(後期高齢者も私のような現役世代も一律です)。
つまり1日12時間ほどは暇です。大学生並みです笑。
そんな中、入院当初に私は「お、これは誰からも文句を言われずに好きなだけゲームができるのでは?」と思いました。早速家族に連絡をし、ゲームボーイアドバンスとPSoneを持ってきてもらいました。
しかし残念なことに左手の麻痺でコントローラーもGBAも握れません。片手でもトライしましましたが、あまりにもストレスフルでプレイは困難でした。脳出血になり最初の絶望でしたね。
ですが担当の作業療法士さんから常々指導されている「できない」をいかに「できる」にするか考えましょうという理念で試行錯誤してみると、どうやらDSはタッチペンというものがあると気づくのです。
さっそく家族に連絡をし、私のファミコン部屋にあるDS LLを持ってきてもらいました。
しかし問題が。ソフトがない…。
私はすぐにタッチペン操作のみで遊べるゲームを探してみました。するとけっこうあるもんで。ここからはランキング形式で入院中に購入して遊んだDSソフトをご紹介したいと思います。

第6位

クロスワード

メーカー ハドソン
片麻痺操作性☆☆
難易度☆☆
グラフィック☆
BGM☆
患者熱中度☆
片麻痺的オススメ度☆☆
まずはパズルゲーム。検索前からきっとアクションやSTGではなくSLGやPZLになるだろうとは思っていました。
意外なのはハドソン製なこと。こんな地味なソフトを手がけていたとは。
内容はいたって普通のクロスワードです。文字をタッチペンで書くのですが、実はそれが難易度をかなり高めています。正しく文字を書いてもなかなか反応しません。そう、カタカナの書き順も正否の判定に含まれるのです。皆さん、カタカナの書き順なんてわかります?笑
私は36歳になって初めてカタカナの「コ」の書き順を知りましたよ笑。
ハッキリ言ってグラフィックもBGMも並以下で、内容も懸賞雑誌以下のクロスワードなのでゲームとしては面白くも何ともありません。2日くらいで飽きました笑。

第5位

ドラゴンボールDS

メーカー バンダイ
片麻痺操作性☆☆
難易度☆☆
グラフィック☆☆☆☆
BGM☆☆☆
患者熱中度☆☆
片麻痺的オススメ度☆☆

なんとアクションゲームもありました。
やはりゲームのセンターオブジアースってアクションゲームだと思うんです。仮想空間へと飛び込んで非現実世界で飛び跳ね回るのがビデオゲームの真髄というか。
そんな中でタッチペン操作のアクションゲームがあるのは驚きでした。
題材はドラゴンボール。悟空幼少期編です。
さすがはキャラゲーのバンダイ、のっけから版権ぶん回しまくりです。摩訶不思議アドベンチャーフルコーラスのオープニングはフルポリゴンのグラフィックがとても美しく魅入ってしまいます。
ゲーム自体はむかしスーファミで発売された超悟空伝に近いです。
タッチペン操作を可能にしたのは幼少期の悟空であることも大きいですね。ジャンプ漫画お約束の強さのインフレが始まる前なのでアクションが極めてシンプルです。移動もジャンプも攻撃もタッチペンのシンプル操作で可能にしているゲーム設計には唸ります。しかもコレ、バンダイ製ですからね。ファミコンでクソゲー連発してたあのバンダイですよ笑。
ただですね、ゲームシステムはおつかいゲームなので飽きが来るのは早いです。そして操作性が少々緩慢というか反応が遅いところはストレスが溜まります。
んまあ、子供向けですかね。私には少し物足りなかったです…。すごいとは思いますが。
それとこのソフトで遊んで気づいたことはゲームというより非日常への没入感の大部分を担っているのは「十字キー」だということです。なーんか遊んでる気にならないんですよ。リハビリでもよく言われる「感覚入力」ってとても大事なんだなあって思わせてくれたソフトでした。

第4位
ピクロスDS

メーカー 任天堂
片麻痺操作性☆☆☆☆
難易度☆☆☆☆
グラフィック☆☆☆☆
BGM☆☆☆☆
患者熱中度☆☆☆☆
片麻痺的オススメ度☆☆☆☆
ゲームボーイとスーファミでお馴染みのソフトのDS版です。タッチペン操作との親和性はグンバツです!
脳トレの一環としても優秀な一本。難易度的にはゲームボーイ版をはじめ従来のものよりは高めに感じました。絵柄は従来作品同様に動物やフルーツなどシンプルなものが多いです。軽快なBGMも聴いていて心地よいです。
従来品で遊んだことがある方には正統進化と言える今作はオススメです。

第3位

女神転生DS

メーカー アトラス
片麻痺操作性☆
難易度☆☆☆☆
グラフィック☆☆☆☆
BGM☆☆☆☆
患者熱中度☆☆☆
片麻痺的オススメ度☆☆


RPGも検索当初からおそらけできるだろうと踏んでいたジャンルの一つでした。
しかし意外とない笑。
最初は思春期に穴が開くほど遊んだデビルサマナーソウルハッカーズなら遊べるかなと3DSの購入も検討しましたが予算の関係上で断念。たまたまメルカリでワンコインにて販売していた今作を購入しました。
しかしですね、この作品、タッチペンに対応していません笑。全く対応していません。メニュー選択すらできません笑。ちょっとアトラスさん、不親切が過ぎますよ笑。
ではどう遊んだのか。
右手のみで遊びます(ちょっと邪道ですかね笑)。右手で十字キーを操作して移動して、右手でABXYも操作します。大変忙しいスタイルです笑。遊び終わるとなかなかグッタリします笑。ただ、指への感覚入力という観点からはリハビリにはタッチペンより効果的な気はしますね。ナカナカ強引なプレイスタイルですが、最終手段としてこういった方法もあります。
肝心のゲーム内容ですが、女神転生という伝統的な作品を携帯機用にうまくカスタマイズしているなという印象です。
ぶっちゃけ言うとほぼウィザードリィです笑。ベースキャンプとなる母艦があり、そこで指令(ミッション)をもらってダンジョンへと潜っていく繰り返しです。ボスを倒すと新たなダンジョンに進めるようになり、出会える仲魔も増えていき、ダンジョン内で拾える素材を集めて母艦のラボで武器やアイテムを作成してパーティを鍛えるというシステムです。世界観は荒廃感に満ちていてそこはきちんとメガテンしているなと。
しかし完全なる作業ゲーなシステムと閉鎖的な世界観が相まって飽きます笑。
私は2番目のダンジョンでギブアップでした。
非日常にのめり込める人向けです。

第2位
ファイアーエムブレム 

聖戦の系譜

メーカー 任天堂
片麻痺操作性☆☆☆☆☆
難易度☆☆☆☆☆
グラフィック☆☆☆☆☆
BGM☆☆☆☆☆
患者熱中度☆☆☆☆
片麻痺的オススメ度☆☆☆☆
さすがの任天堂クオリティ!片麻痺でも健常並みに遊べる片麻痺ゲー最高傑作はこの一本!感動しました!
SRPGの名作をDS用にリメイクした作品ですが、タッチペンをフル活用した仕様に生まれ変わっています。MAP上のキャラクターをタッチペンで選択し、移動先の指定もタッチペンで。ストレスが一切ありません。緻密にプレイ時の心地良さを計算し尽くしたとしか言いようがない老舗の意地というかプライドを感じます。そもそもスーファミの名作なわけでのゲームがそもそも素晴らしいという抜け目のなさ。
しかし当然難易度もベタ移植。移植に伴う救済措置もほぼありません笑。リセット祭りです笑。
入院中にクリアまで到達はできませんでしたが、片麻痺でも健常並みに楽しめる作品があることを知れたのは、ビデオゲームを諦めたくないという私を鼓舞するには十分すぎる一本でした。しかも一手先、二手先まで考えるという意味では脳トレにもなります笑。2位ですがキングオブ片麻痺ゲーはファイアーエムブレムです!

第1位
脳を鍛える大人のDSトレーニング

メーカー 任天堂
片麻痺操作性☆☆☆☆☆
難易度☆☆
グラフィック☆☆☆
BGM☆☆☆
患者熱中度☆☆☆
片麻痺的オススメ度☆☆☆☆☆
トップはコチラ。入院中、一番プレイしました。今朝もやりました。8月末から2ヶ月毎日休まずトレーニングを積み重ねています。
当初、私の脳年齢は50代後半で高次脳機能障害の恐ろしさを痛感していましたが、川島教授が言うように毎日トレーニングを続けたところ、今ではコンスタントに20代を叩き出せるようになりました。
操作性は極めて良好で、タッチペンで文字や数字を書くので感覚入力のリハビリとしても有効と思われます。
ただ、トレーニングを続けているとトライできるトレーニングの種類は増えていくものの、似たり寄ったりな内容でぶっちゃけ飽きます。反復練習することでトレーニング効果が高まっていくと考えれば(計算トレーニングは川島教授がその有用性を論文で発表しています)、同じトレーニングを毎日続けることが大切なわけですがそれでも限界はあります。
そういった方、入院が長期になりそうな方は続編の「もっと脳を鍛える〜」を一緒に購入することをオススメします。ゲームというより知育系ソフトではありますが、昨日の自分を超えるという意味では脳卒中のリハビリと同じモチベーションで臨めるソフトであるとは思います。このサイトを療法士さんが見てるとしたらお伝えしたいのは、患者の年齢を問わず自主トレに取り入れる有効性は十分ある1本だと思います。

番外編
風来のシレンDS

メーカー チュンソフト
片麻痺操作性☆☆☆☆
難易度☆☆☆
グラフィック☆☆☆
BGM☆☆☆☆
患者熱中度☆☆☆☆
片麻痺的オススメ度☆☆☆

入院中に購入したわけではないので番外編として。DS本体に刺さりっぱなしになっていたソフトです。
ご覧の通り北米版ですが、言語以外は国内版と差異はないと思われます。
まさかタッチペンで遊べるとは思わず起動してみたところ、タッチペン操作で反応があるではありませんか!
ダンジョンへ潜ってみると、進みたい方向をタッチするとシレンがその方向に進むのです!モンスターの隣に立ち、モンスターをタッチすると武器でぶっ叩きます!
ARPGのマスターピース・風来のシレンはタッチペンで遊べる!
これはいいことを知ったかもしれません!
無限にある入院期間中の時間にぴったりの中毒ソフトがありました!チュンソフト、あっぱれでしょう。嬉しい誤算でした笑。
唯一の難点は原作のスーファミよりも難易度が格段に上げられているところ(初見クリアはかなり困難です)。



以上の7本をご紹介いたしましたが、皆さんのオススメタッチペン対応ソフト(3DS含む)もご教示いただければ幸いです。
このように、片麻痺でも楽しめるゲームがあるというのは嬉しいですね。リハビリを続けていつかは健常並みにコントローラーで遊ぶというのが最終目標ですが、その過程におけるビデオゲームに対するモチベーション維持の観点からはこれらのゲームの存在は大きいと思われます。
私はこんなサイトをこんなアカウント名で運営しておりますが、メーカー側に対して片麻痺用コントローラーの開発を望んでいるかというとそんな気持ちは毛頭ありません。そんな売れるかもわからないニッチなアイテムの開発に人的リソースを割くぐらいなら面白いゲームを作ってくれという気持ちの方が強いからです。
片麻痺側が自分で「できない」を「できる」にする努力をすればいいと思っていますし、それが片麻痺として「生きる」ということだと思うからです。そういう気持ちがあればいつかまたコントローラーを握れる日が来ると自分の未来を信じることができますから。

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2021年6月に脳出血で入院して退院するも左片麻痺になってしまったのにビデオゲームで遊ぶことを諦めきれない困ったオヂサンのサイトです。 「できない」を「できる」にするために模索する日々と大好きなNESソフト収集についてまとめていきます。 片麻痺でのゲームプレイやオススメソフト紹介を中心の記事を更新していきますので、お気軽にコメント等いただけると励みになります。 よろしくナニトゾ!

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